準強姦事件への何とも言えない違和感

 この事件になんかもやもやしていたら、うまくまとめてくれている記事があったので、その記事を元に自分なりに思ったことを書いてみます。「加害者」を擁護するつもりも「被害者」をバッシングするつもりもありません。単純に抱いた疑問と、そこから思ったことです。多くの人が既に語っているのかもしれませんので内容がかぶるのは承知の上ですが、引用部分は明示しますし、それ以外の文章はすべてオリジナルで一切パクリはありません。

さて、最初に引用元の記事です。
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【レイプ告白】「あの夜、なにがあったのか」詩織さんと山口氏 それぞれに聞いた
BuzzFeed Newsは詩織さんと山口敬之氏、双方に取材した。
2017/06/1 11:04
Kazuki Watanabe
渡辺一樹 BuzzFeed News Reporter, Japan

https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170601?utm_term=.mu1g3AK9za#.ir9q98R3M1
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以下、>> で引用するのは全て上記記事です。2017年6月2日10:00時点のものを確認しました。改行はこちらの都合ですが、内容は一切変えてません。

 

では、まずは、記事の順番にそって思ったことを書いてみます。

>>この一件は「週刊新潮」5月18日号が「準強姦で逮捕状が出ていたが、
>>逮捕直前に警視庁刑事部長がストップをかけた」と最初に報じた。
>>詩織さんは5月29日、検察が山口氏を不起訴にしたことについて、
>>検察審査会に不服を申し立てた。

1、逮捕状は必ず執行されないといけないの?
  それとも、警察の判断で執行しないのもありなの?
2、その判断がありとして、普通はどのレベルのエライ人が判断するの?
 本庁の刑事部長というとかなりエライわけで、その下には課長もいれば警察署長もいて、その人たちも結構エライはず。
 つまり、刑事部長が逮捕状執行の可否を判断するのはイレギュラーなのか、それとも平常運転の範囲内なのかってこと。
3、でも、書類送検はされてるのだから、逮捕状執行の有無はそんなに重大な問題なの?
4、逮捕の有無の違いは、法的には被疑者拘留の可否の違いになるわけだし、起訴されてしまえば被告人勾留は可能ですよね。だとしたら、逮捕の有無というのは「世間的なインパクトの問題」なのだろうけど、マスメディアは逮捕されないと気づかないほど取材能力が低く間抜けだということでは?
5、検察官が不起訴処分にしたのは、証拠不十分だから?それとも、検察官が今はやりの「忖度」をしたから?
6、仮に証拠不十分だとして、それは警察の証拠収集が不十分だったから?
  検察官は独自捜査をしなかったの?それとも、捜査したけど警察以上の証拠は得られなかったの?
7、電車の中で尻を触られたと女性が一方的に言い張るだけで、疑われた男性はいくら否定しても逮捕され有罪にされるのに、なぜかなり証拠があるとみられる準強姦事件では逮捕も起訴もされないの?
  カギは合意の有無?

 記事を数行読んだだけで、こんなに疑問がわきました。

さて、事実関係についても疑問だらけ。
>>山口氏とは、2013年にアメリカで知り合った。山口氏はTBSワシントン支局長、
>>詩織さんはそのときニューヨークの大学に留学中だった。

8、この「知り合った」って、どういう関係?
 面識を得たってこと? 交友関係が始まったってこと? 男女の交際を始めたってこと?
9、一般論として、TBSワシントン支局長は留学生と、面識を持つ、交友関係をもつ、交際するといったことがあるの?ないの?あるとして、どの程度の頻度?

>>詩織さんは、留学から帰国後の2015年3月25日、TBSのワシントン支局に働き口が
>>ないか、山口氏に問い合わせた。山口氏とはアメリカで2度会っただけだったが、
>>その際に「あなたならTBSのワシントン支局であれば、いつでも仕事を紹介する」と
>>言われたことを思い出したからだという。

10、一般論として、学生が2度会ったTBSワシントン支局長に働き口を問い合わせるものなの? 上記9とも関連するけど、仮に多くの留学生がTBSワシントン支局長と面識を得るとして、そのうちどの程度の人が働き口を依頼するものなの?
  現実問題として、日本人留学生は数えるほどしかいないだろうし、その人たちは面識を得て2回会っただけで、就職の紹介を依頼できるの?
11、一般論として、TBSワシントン支局長は留学生に仕事を紹介するということを行うの?それとも、山口氏が個人的にそうしたの?
12、記事中の「あなたなら」というのは、詩織さんが非常に優秀だから? 女性だから? 美人だから? それとも、特別親しい関係だから?

 本当に疑問だらけです。

>>詩織さんは山口氏に呼び出され、2015年4月3日午後8時ごろ、恵比寿の串焼き店で
>>落ち合って食事をした。就職に向けた相談をするためだった。

13、詩織さんの採用って、いわゆる「現地採用」ってやつ?それとも「中途採用」ってやつ? もしかして「新卒一括採用」なの?
14、どの採用枠であれ、関与した社員は個人的に採用対象者と会うものなの?
  山口氏は、採用に関して社命で動いたの? それとも、私的に会ったの?
15、真面目な採用なら、なぜ夜になって串焼き屋で会ったの?


>>山口氏が「店を予約してあるから、移動しよう」と誘ったため、2人は午後9時40分
>>ごろ、鮨店に移動した。山口氏は詩織さんに「一緒に働きたいと思っていた」などと
>>伝えたという。

16、世間的に、例えばヘッドハンティングする場合、採用する側が採用対象者を料亭等で接待することはあるだろうけど、串焼き屋→鮨屋(予約)って流れはありなの?
  ヘッドハンティングとはいかないまでも、詩織さんってワシントン支局長が接待するほどの優秀な人材なの? だとしたら、なんらかの実績があると思うのだけど?

 と思ったら、その後でメールが引用されてました。引用の引用です。

>>詩織さんは2015年4月18日午後8時36分、山口氏宛に次のようなメールを送った。
>>  山口さん。
>>  今回山口さんと帰国した際にお会いしたのは新規のプロデューサーとして採用、
>>   ないしフリーとして契約をしたいので残りの問題のVISAの話をしようとお誘い
>>  いただいたからですよね。

 フリーなら解りますが、「新規のプロデューサー」ってところでなんか引っかかりました。

 詩織さんが「記憶をなくしてから」後の出来事は、客観的証拠による判断は不可能でしょうね。勿論、証言や防犯ビデオや車載ビデオの記録は入手可能でしょうけど、ホテルに入ってからはほとんど証拠は残ってないでしょう。
 そんなわけで、この後の記事内容には疑問を持ちませんでした。もはや証拠のない水掛け論でしかないからです。
 記憶をなくしてからの記事内容を見てみます。

>>詩織さんはタクシー運転手を見つけ出し、話を聞いた。その聞き取りの際、
>>一緒にいた友人(37)は、BuzzFeed Newsにこう証言する。
>>「運転手さんの話だと、詩織さんは何度か『近くの駅で降ろしてください』と言っ
>>ていた。ところが、山口氏が『何もしない。仕事の話をしよう』と言って、港区内の
>>ホテルに向かうように指示したそうです。詩織さんはタクシー内で、最初は話をして
>>いましたが、ホテルに着いたときには一人ではタクシーから降りられない状況だった
>>といいます」

 詩織さんには記憶がなくても「話をしていた」状態があったわけですし、山口氏が性行為に及んだ段階で「女性の心神喪失・抗拒不能」を立証するのは困難でしょう。
 したがって、これも引用の引用ですが、山口氏からのメールにある

>>  その後あなたは唐突にトイレに立って、戻ってきて私の寝ていたベッドに
>>  入ってきました。その時はあなたは「飲み過ぎちゃった」などと普通に話を
>>  していました。だから、意識不明のあなたに私が勝手に行為に及んだという
>>  のは全く事実と違います。私もそこそこ酔っていたところへ、あなたのような
>>  素敵な女性が半裸でベッドに入ってきて、そういうことになってしまった。
>>  お互いに反省するところはあると思うけれども、一方的に非難されるのは全く
>>  納得できません。

という内容を否定するだけの証拠をそろえるのは捜査側にはかなり無理があると思います。

 あとは山口氏の「自白」のみに頼ることになります。証拠の女王と言われる自白ですが、痴漢えん罪の元凶でもあり、民主主義社会にあってはならないことです。仮に取り調べ段階で山口氏が「自白」したとして、裁判段階で自白は強要されたと証言した場合、客観的証拠がない以上、裁判所も有罪とは判断できないでしょう。万が一仮に、第一審でいい加減な裁判官がいい加減に情緒的に有罪判決を下しても、第二審ではひっくり返されるでしょう。

 お酒の強い人が今回に限り記憶をなくし嘔吐したとなると、警察は薬物混入も疑って「被害者」の尿検査や血液検査も行ったのではありませんか? これは「被害者」が同意すれば可能ですから、行わない理由がありません。告訴の時期が記事からは解りませんので何とも言えませんが、多分その証拠はなかったのでしょう。あったなら、検察官の動きも違ってくるはずです。

 こう考えると、社会的にインパクトのある「逮捕」を行って、裁判で無罪になった場合、警察の失点はかなり大きくなります。マスコミはここぞとばかり大騒ぎ馬鹿騒ぎすることでしょう。
 逮捕状を執行しなかったのは刑事部長がマスコミに配慮した「忖度」の問題というより、むしろ組織防衛の観点から現場を止めた可能性も十分考えられます。

 詩織さんが検察審査会に不服申し立てをしたのは当然の権利ですし、メディアに登場すること自体はご本人の判断なので、その是非は他人が論評できることではありません。


 でもって、私の中の根本的なもやもやなんですが、そもそも詩織さんが美しい女性だからだろうなって思うわけです。全ての出発点はここでしょう。これが男だったら?不細工だったら?って思うわけです。この後の話はありえたのかなって。

 ですから、一般論として言えると思うのですが、「会いたい」なんて伝えて、夜串焼き屋で会って鮨屋まで予約していて・・・・って、男の方は「やる」気まんまんですよ。山口氏を弁護するつもりはさらさらありません。近寄ってきた美人に手を出したのは明らかです。

 それにしても、ここまで条件がそろっていても、女性は純粋な就職の話だと思うのでしょうかね。これはどう見ても男女のデートでしょう。それでも純粋に相談したかっただけだなんて、いくら若い女性だとはいえ、ナイーブすぎませんか?。こう書くと、「被害者バッシング」だと言われかねず、つい腰が引けてしまうのですが、女性の皆さんはどうお考えなのでしょう? その日にすぐとは言わないまでも、こういったデートを設定している段階で、男に「やる」気があるとは考えないのでしょうか? そこであえてデートに応じたとしたら、その後の「リスク」は想定しないのでしょうか?
 ネットの記事か何かで見た覚えがあるのですが、電車の中で男性がバッグを持ち替えただけで痴漢じゃないかと疑う女性が結構いるとか。だとしたら、痴漢はすぐに疑うくせに、こういうケースでは女性は疑わないものだなんてことだとしたら、あまりにも身勝手な理屈だと思うのですが。

 むしろこれは、一般論で語ってはいけないのかもしれませんね。だとしたら、「被害者」女性の場合の個別事例となってしまいますから、社会的問題として一般化できるかどうか。

 このように考えると、本件は逮捕云々の問題ではないでしょう。
 ではどういう問題かというと、まずは、

・社会的地位のある男が就職をエサに若い女性を思い通りにしようとする事案

 これって大なり小なりあるでしょうね。今回はマスコミのエリートさんで、政局もからんで大きな話になったようです。「被害者」女性が野党に利用されないことを願うばかりです。でも、この問題は世の中にたくさんあり、泣き寝入りしている女性が結構いるはずです。今回の「被害者」は美人で高学歴ですので、世の女性の支持を得られるかどうか疑問です。女性が敵に回る危険もあります。むしろ「就職」問題として一般化して、女性の支持を得る方が得策でしょう。

そして、

・いわゆる「デートレイプ」の実証の問題

 これは、きわめてテクニカルで困難な問題提起とも言えます。個別具体的に状況は異なりますから、その一般化はきわめて難しい問題をはらみます。こちらから攻めるのはかなりの無理筋です。したがって、

>>だから、国会で強姦罪の法改正が話し合われているタイミングで、法律や制度を
>>変えるためのきっかけになればと、声を上げたのだという。

というのは確かに意義があるのかもしれませんが、新たなえん罪の温床となってはいけませんから、そう簡単に話は通らないでしょう。単なる見世物にされて終わる危険があります。


 本件も、仮に検察審査会が起訴相当や不起訴不当の判断をしたとして、検察官が起訴に踏み切るかどうか疑問です。社会的地位とは別に証拠の点から難しいと思うからです。まして強制起訴になったとしても指定弁護士は苦しいでしょう。

 あえて男性側に社会的制裁を加えたいと望むなら、法制度の改革を大義名分に掲げた刑事事件ではなく、民事で「就職斡旋」についての契約不履行から攻めていく方が有効な手かもしれません。ただし、あまり筋がいいとは言えませんけど。

 もう一度言いますが、本件の場合、性犯罪の法制度にからめても上手くフィットしないと思います。ましてや共謀罪とか政権批判と結びつけると、世間の支持をえられず、同性からもそっぽ向かれる危険があります。

 むしろ、女性の側は、既得権や地位や権力のある男性によるパワーハラスメントセクシャルハラスメントの問題として攻めていった方が効果的でしょう。

 以上、ど素人なりに考えてみた次第です。